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社長ブログ

変化や危機への“その場しのぎ“な対応では不十分~企業に求められる<逆算思考>という考え方~

逆算思考

企業を取り巻く環境変化を予測し、先手を打って対応する必要がある

緊急事態宣言を契機にテレワークを導入し、引き続きテレワークを導入する企業が8割いることが東京都の調査によって明らかになっています。(※)しかし、宣言解除とともにテレワークをやめて全社員が何事もなかったかのようにオフィスに戻っている企業もあるようです。もちろん企業の業界や業種、社員の職種によってもテレワークへの向き不向きはあると思いますが、単に目先の変化に受け身で対応する企業と中長期的な視点を持って先手を打って対応する企業の間で競争力に差が付くことは、明らかです。

※東京都産業労働局 多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)

https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/hatarakikata/telework/01_telework_tyousa.pdf

「その場しのぎ」ではなく、打ち手を考える「逆算思考」が重要

変化や危機に捕らわれ表面的な対応することは短期的には有効ですが、危機に衝突する確率を下げることは出来ません。例えば、「新型コロナウィルス対応」のため取り急ぎテレワークを導入した企業と、「地方にいる優秀な人材」や「出社が難しいが、経験とスキルが高い人材」を採用しテレワーク導入を考えている企業では、その後の競争力に差がつくことは明らかです。長期的な目線に立ち、将来あるべき企業の姿を見据え、働き方や業務を再設計することが重要なのです。

長期的な視点に立って再設計するには、逆算思考が重要です。逆算思考とは、「先にゴールを見据えて、そこに至るための道筋を考える」という考え方です。逆算思考を実施するためには、環境変化が自社に与える影響を分析、生き残るために自社のあるべき姿を再定義します。そして、あるべき姿と現状のギャップを明確にし、ギャップを埋めるための打ち手を考える、というものです。<グループ間での連携を強化する取り組み>を例にご説明します。

<従来の思考アプローチ>
一般的な改善の取り組みでは、先に各社の手続きを調査、原因分析することになりますが、そうすると各社の手続きの業務プロセスやルール、フォーマットなどをすべて加味した複雑なものができあがってしまい、会社間の連携強化どころか却ってミスの発生件数や処理時間の増加を招いてしまう恐れがあります。

<逆算思考によるアプローチ>
このように労力を無駄にしないために、目先の問題にすぐに取り掛かるのではなく、将来像を見据えた上でどのように進めるか「逆算思考」で考えます。「グループ間での連携を強化する」ために「グループ会社間での社内手続きの標準化と集約化」を目指します。そのために各社共通の社内手続きの統一方針を明確にした上で業務プロセスフローやルールの将来像を描きます。それを基に各グループ会社の手続きを調査し、ギャップを洗い出し、あるべき姿に移行するための打ち手と実行計画を立てると良いでしょう。

今後の予想

新型コロナウィルス感染拡大を契機にSDGsやSociety5.0など企業を取り巻くビジネスの前提ルールが覆りました。そのため、過去を前提にものごとを捉えていてはアフターコロナ社会を生き抜くことは出来ません。変化を予測し、変化による自社への影響をとらえ、それを踏まえて生き残るための将来像を描き、現状とのギャップを浮き彫りにして打ち手を考える、「逆算思考」での仕事の再設計が必要なのです。